60-01. IPアドレス（プライべート/グローバル）とNAT

IPアドレスとは？

IPアドレスとは、ネットワークに接続している無数のコンピュータを識別するための番号です。

LAN中の端末に割り振られた「192.168.1.1～192.168.1.4」や、WANとインターネット上の「104.16.91.52」「216.58.196.227」「8.8.8.8」の数字は全てIPアドレスを表しています。

このような表記する番号であるIPアドレスにより、通信するコンピュータを識別します。

プライベートIPアドレス/グローバルIPアドレス

IPアドレスは、プライベート IP アドレスとグローバル IPアドレスの２つの分類できます。

プライベート IP アドレスは、LAN内で利用する IP アドレスです。LANの管理者は、自由にプライベート IP アドレスを付与できます。

一方、グローバル IP アドレスは、インターネットで利用する IP アドレスになります。重複を許さない、世界で１つのアドレスになっています。

プライベート IP アドレスはLAN、グローバル IP アドレスはインターネットで利用する IP アドレスと理解しておきましょう。

NAT（Network Address Translation）

NAT（Network Address Translation）とは、インターネット接続のためにプライベートアドレスとグローバルIPアドレスを相互変換する技術です。「Translation」は「翻訳、置き換え」という意味で、NATは「IP アドレスを置き換えること」を表しています。

この相互変換が必要な理由は、プライベートIPアドレスのみでは、インターネット接続ができないためです。つまり、インターネットを接続するためには、端末に対して、グローバル IP アドレスを割り当てる必要があります。

この際、グローバルIPアドレスをLAN内の各端末に純粋に割り当てるのではなく、ルーターを経由したインターネットへ通信時に、ルーターがプライベート IP アドレスをグローバル IP アドレスへ変換し、インターネットに接続をします。

逆に、インターネットからLANの通信では、ルーターがグローバル IP アドレスをプライベート IP アドレスへ変換します。

このようにルーターがプライベート IP アドレスとグローバル IP アドレスを相互変換する技術が、NAT になります。

［補足］グローバルIPアドレスの管理（ICANN/JPNIC）

世界のグローバル IP アドレスは、ICANN（アイキャン：Internet Corporation for Assigned Names and Numbers）と呼ばれる組織が管理しています。

また、日本のグローバルIPアドレスは、JPNIC（ジェーピーニック：Japan Network Information Center、ICANNの構成組織の1つ）が管理し、ISP事業者が利用者に付与する体制になっています。

ここで、ISP事業者とは、インターネットサービスプロバイダ（Internet Services Provider）のことです。具体的なISP事業者には、「OCN」「BIGLOBE」「SO-net」等があります。

このように「ICANN→JPNIC→ISP事業者→利用者」の体制により、世界で１つだけのグローバルIPアドレスを管理できています。

【まとめ】IPアドレス（プライべート/グローバル）とNAT

それでは最後におさらいをしておきましょう！

用語	説明
IPアドレス	ネットワークに接続しているコンピュータを識別する番号
プライベートIPアドレス	LAN内で利用できるIPアドレス、自由に付与
グローバルIPアドレス	インターネットで利用できるIPアドレス、世界で1つ
NAT	プライベートアドレスとグローバルIPアドレスを相互変換する技術 ※Network Address Translation
ICANN ［アイキャン］	世界のグローバル IP アドレスを管理する組織 ※Internet Corporation for Assigned Names and Numbers
JPNIC ［ジェーピーニック］	日本のグローバルIPアドレスを管理する組織 （ICANNの構成組織の1つ） ※Japan Network Information Center