システム性能に関連する用語として、次の4つの用語を解説していきます。
・ベンチマークテスト:同一の処理にかかった時間等で、性能を評価、相対比較するテスト
・ターンアランウンドタイム:入力を与えてから応答し、出力の完了までの時間
・レスポンスタイム:入力を与えてから応答までの時間
・スループット:単位時間当たりに処理できる件数
ベンチマークテストとは?
ベンチマークテストは、システムでテスト用の処理を実行し、その処理にかかった時間等の指標で性能を評価するテストです。
※ベンチマーク:指標
また、複数のシステムへ同じテスト用の処理をさせた結果から、相対的に性能を比較することが可能です。
[補足]SPEC(標準性能評価法人)
公平なシステム評価のベンチマーク(指標)を作成・結果の公開を目的とした団体としてSPEC(Standard Performance Evaluation Corporation:標準性能評価法人)があります。
SPECの公式サイトでは、評価したいシステムに応じたベンチマークやベンチマークの評価結果が公開されています。
レスポンスタイム/ターンアラウンドタイム/スループットとは?
レスポンスタイム、ターンアラウンドタイム、スループットのいずれも、システム処理の速さを評価する項目(観点)です。
・ターンアランウンドタイム:入力を与えてから応答し、出力の完了までの時間
・レスポンスタイム:入力を与えてから応答までの時間
・スループット:単位時間当たりに処理できる件数
ターンアラウンドタイム
ターンアラウンドタイムとは、入力を与えてから応答し、結果の出力までの時間です。このターンアラウンドタイムが短いほど、システムの処理速度が速いことを表します。
具体的には、コンピュータがプリンタへ印刷命令を与えて(入力)から、プリンタがその命令を受け取った後、印刷物として出力が完了するまでの時間になります。
レスポンスタイム
レスポンスタイムは入力を与えてから応答までの時間です。したがい、レスポンスタイムが短いほど、システムの処理速度が速いです。
具体例としては、コンピュータがプリンタへ印刷命令を与えてから(入力)、プリンタがその命令を受け取り、印刷物の出力が開始(応答)するまで時間がレスポンスタイムです。
ターンアラウンドタイムは、プリンタが印刷物を出力するまでの時間が計測対象ですが、レスポンスタイムは、プリンタが命令を受け取り、印刷が開始(応答)するまでの時間となります。
ターンアラウンドタイムとレスポンスタイムの違いをしっかりと理解しておきましょう。
スループット
スループットとは、システムの単位時間当たりの処理件数です。例えば、システムが1秒間に何回処理できたかということです。
システムの用途に応じた、ベンチマークテストを実施し、計測します。
また、ネットワークの性能評価の場合、単位時間当たりに伝送できるデータ量を意味します。
[補足]ボトルネック
ボトルネックの本来の意味は、ボトルの注ぎ口にしたがって細くなる部分のことです。
一方、システムでのボトルネックは、システム全体の処理性能に影響を及ぼす原因部分を意味します。
直列なシステム構成および処理の場合、一部の処理速度が遅れが、システム全体の処理速度の低下をもたらします。
システムやネットワークの構築では、このボトルネックに注意する必要があります。
【まとめ】システムの性能
それでは最後におさらいをしておきましょう!
用語 | 説明 |
---|---|
ベンチマークテスト | 同一の処理にかかった時間等で、性能を評価、相対比較するテスト |
SPEC | 公平なシステム評価のベンチマーク(指標)を作成・結果の公開を目的とした団体 ※Standard Performance Evaluation Corporation:標準性能評価法人 |
ターンアラウンドタイム | 入力を与えてから応答し、出力の完了までの時間 |
レスポンスタイム | 入力を与えてから応答までの時間 |
スループット | 単位時間当たりに処理できる件数 |
ボトルネック | システムの全体の処理速度に影響を及ぼす、処理速度遅い原因部分 |
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