集中処理とは?
集中処理は、1台のコンピュータで処理する形態です。したがって、処理用の高性能のコンピュータが必要になります。
分散処理とは?
一方、分散処理とは、複数のコンピュータで処理する形態です。
分散処理は、分散対象が『負荷』or『機能』という点と、対象の関係性である『水平(処理に順序性がなく、独立)』or『垂直(処理に順序性があり、従属)』により、3つの処理形態に分かれます。
①水平負荷分散:順序性のない(独立)処理を負荷で分散
②水平機能分散:順序性のない(独立)処理機能で分散
③垂直機能分散:順序性のある処理を機能で分散
①水平負荷分散
水平負荷分散は、独立した処理(順序性のない処理)を負荷で分散させる形態です。
具体例としては、3台のコンピュータに「メール」、「プリント」、「データ処理」の負荷を分散させることを考えます。
まず、「メール」、「プリント」、「データ処理」の処理の負荷を分散させているので、『負荷分散』となります。さらに、この3つの処理には順序性がなく、どの処理から始めても問題ないため、『水平』となります。
したがって、『水平負荷分散』ということが分かります。
②水平機能分散
水平機能分散は、独立した処理(順序性のない処理)を機能で分散させる形態です。
具体例としては、3台のコンピュータに「メール」、「プリント」、「データ処理」の機能を1台ずつ付与する形態です。
「メール」、「プリント」、「データ処理」の機能を1台ずつ割り当てているため、『機能分散』です。先ほど同様、これらの処理には順序性がないので、『水平』です。
したがって、『水平機能分散』になります。
③垂直機能分散
垂直機能分散とは、従属した処理(順序性のある処理)を機能で分散させる形態です。
具体的には、3台のコンピュータに「①データ収集」、「②データ分析」、「グラフ化」といった機能を1台ずつ付与する形態です。
「①データ収集」、「②データ分析」、「③グラフ化」の機能を1台ずつ割り当てているため、『機能分散』です。更に、この3つの処理は、「①データ収集→②データ分析→③グラフ化」の順序性があるため、『垂直』となります。
したがって、『垂直機能分散』になります。
[補足]垂直負荷分散
垂直負荷分散は、現実では存在しません。なぜなら、負荷は順序性を定義できないためです。
したがって、負荷分散は全て『水平負荷分散』になります。
【まとめ】処理形態(集中処理/分散処理)
それでは最後におさらいをしましょう!
用語 | 説明 |
---|---|
集中処理 | 1台のコンピュータで処理する形態 |
分散処理 | 複数台のコンピュータで処理する形態 処理の対象と対象の関係性で3つに分かれる 水平負荷分散、水平機能分散、垂直機能分散 |
水平負荷分散 | 順序性のない(独立)処理の負荷を分散 |
水平機能分散 | 順序性のない(独立)処理を機能で分散 |
垂直機能分散 | 順序性のある処理を機能で分散 |
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