・参照:セルの位置を列と行で指定すること
・相対参照:計算式を複写した場合、参照するセルの位置を自動的に調整すること
・絶対参照:計算式を複写した場合、特定のセルの位置を必ず参照させること
参照とは?
表計算ソフトでは、セルの位置を列と行で指定し、計算を行うことができます。
例えば、2列目(B列)の2行目のセルは、「B2」と指定します。このセルの指定を表計算では、参照と呼びます。
ここで、商品Aのセール価格である「D2」を計算する場合を考えます。
セール価格は、定価×セール率です。商品Aの定価は「B2」、セール率は「C2」なので、セルの参照を用いて、商品Aのセール価格は、「=B2*C2」という式で記述できます。
参照には、「相対参照」と「絶対参照」があります。
・絶対参照:計算式を複写した場合、特定のセルの位置を必ず参照させること
相対参照
計算式を複写(コピー)すると、参照するセルの位置は、自動的に調整されます。この参照の仕方を相対参照と呼びます。
例えば、先ほど計算した商品Aのセール価格「D2」セルの「=B2*C2」を、商品B~商品Zのセール価格のセルに複写します。
相対参照により、商品Bのセール価格の「D3」は、「=B3*C3」となり、適切に商品Bのセール価格が計算されることが分かります。
このように同じ計算式で参照する行や列のみが異なる場合、相対参照を用いることで、簡単に式を記述できます。
絶対参照
計算式で特定のセルの位置を必ず参照するときには、絶対参照を用います。
セルの行または列、もしくは両方に『$(ドル)』を付けることで、絶対参照となります。
絶対参照したセルの位置は、複写しても自動的に調整されずに固定されます。
例えば、商品A~Cのセール価格の計算を考えます。すべての商品のセール率は、「A2」セルの値である「90%」を適応します。
まず、相対参照で計算した場合について考えます。商品Aのセール価格の計算式を次のように記述します。
行方向に複写すると、商品BとCには次の誤った計算式が記述されます。
・商品Cのセール価格)=B4*A4
この理由は、相対参照によって、自動的に参照する行が調整されてしまったためです。
正しくは、次のような式が記述される必要があります。
・商品Bのセール価格)=B3*A2
・商品Cのセール価格)=B4*A2
商品A~Cの定価の参照する行は「2→3→4」の調整が必要なので相対参照です。一方、セール率の参照する行は「2→2→2」となり、調整が不要です。
このような場合、自動調整が不要な行に「$」を付与した絶対参照を用います。
具体的には、商品Aのセール価格を「$」を用いて次のように記述します。
行方向に複写すると、商品BとCのセール価格には正しい計算式が記述されます。
・商品Cのセール価格)=B4*A$2
このように、特定のセルの行または列、もしくは両方を「$」で固定することで絶対参照となります。
[補足]行と列の絶対参照比較
「行と列の絶対参照」、「行の絶対参照」、「列の絶対参照」で複写した際は、次の図のようになります。
行または列なのか、もしくは両方に絶対参照が必要なのかを考えて、式を記述することが求められます。
【まとめ】表計算ソフト(絶対参照/相対参照)
それでは、最後にもう一度確認しておきましょう!
用語 | 説明 |
---|---|
参照 | セルの位置を列と行で指定すること |
相対参照 | 計算式を複写した場合、参照するセルの位置を自動的に調整すること |
絶対参照 | 計算式を複写した場合、特定のセルの位置を必ず参照させること セルの行または列、もしくは両方に『$(ドル)』を付与する ・$A$1:行と列の絶対参照 ・A$1:行の絶対参照 ・$A1:列の絶対参照 |
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