RAID(レイド)とは?
RAID(Redundant Arrays of Independent Disks:レイド)とは、複数のHDD(Hard Disk Drive:ハードディスク)を1台のHDDのように認識させたストレージの構成技術です。
※Redundant:冗長な、Independent:独立した、RAID:独立したHDDの冗長構成
RAIDにより、データを分散して書き込むことで、ストレージの高速性や耐障害性を高めることが可能です。
更に、RAIDには、特性の異なる複数の方式があります。 IT パスポート試験では、『RAID0(ミラーリング)』『RAID 1(ストライピング)』『RAID 5(パリティ付きストライピング)』の3つが出題されます。
・RAID0(ストライピング):2台以上のHDDで高速性
・RAID1(ミラーリング):2台以上のHDDで耐故障性(信頼性)
・RAID5(パリティ付きストライピング):3台以上のHDDで高速性と耐故障性(信頼性)
RAID 0(ストライピング)
RAID 0(ストライピング)は、2台以上のハードディスクに1つのデータを分割し、複数のHDDへ並行してデータを書き込むRAID方式です。
並行してデータを書き込むので、書き込み速度を高速化することが可能です。
RAID 1(ミラーリング)
RAID1(ミラーリング)は、2台以上のHDDに同じデータを書き込むRAID方式です。
RAID1のメリットは、耐故障性(信頼性)が高くなることです。
具体的には、RAID1では一方のHDDが故障しても、正常なHDDに同じデータが保存されているので、読み込みを継続できます。
デメリットとして「HDDの実質的な記憶容量が半分」になる点が挙げられます。
例えば、2台のHDDでRAID1を設定した場合を考えてみましょう。
このとき、両方のHDDに同じデータを書き込むので、実質的な記憶容量は1台分、つまり半分になります。
RAID 5(パリティ付きストライピング)
RAID 5(パリティ付きストライピング)では、3台以上のHDDに、分割したデータを並行し書き込みます。更に、誤り訂正用の情報(パリティ情報)も分散して付与します。
メリットは、書き込み速度の高速化と耐障害性(信頼性)が高い点です。
RAID5は、RAID0(ストライピング)と同様に分割したデータを並行して書き込むため、書き込み速度を高速化できます。
また、HDDの故障時のデータ復旧のために、パリティ情報を合わせて書き込みます。1台のHDDが故障しても、パリティ情報でデータの復旧が可能です。
[補足]パリティ情報
パリティ情報は、データの1の個数が「偶数のとき⇒0」、「奇数のとき⇒1」を行と列に付与するものです。
データと付与したパリティ情報の関係性から、破損(「0」⇔「1」に反転)検出し、訂正することが可能です。
実際に、3行3列のディジタル情報を例に、パリティ情報を使った訂正の手順をみていきましょう。
①行にパリティ情報を付与
1行目:1が2個(=偶数)⇒0
2行目:1が1個(=奇数)⇒1
3行目:1が2個(=偶数)⇒0
②列にパリティ情報を付与
1列目:1が1個(=奇数)⇒1
2列目:1が2個(=偶数)⇒0
3列目:1が2個(=偶数)⇒0
③2行2列目のデータが反転
2行2列目のデータが「0→1」に反転し、破損したと仮定
④破損データを検出、訂正
パリティ情報とディジタル情報の関係性から、2行目と2列目の不整合を検出
・2行目:1が2個(=偶数)
⇒本来は0だが、「1」
・2列目:1が3個(=奇数)
⇒本来は1だが、「0」
したがい、2行2列目のデータを「1→0」に反転することで、元データに訂正可能でと判明します。
【まとめ】RAID(RAID 0/1/5)
それでは最後におさらいをしておきましょう!
用語 | 説明 |
RAID | 複数のHDDをを1台のHDDのように認識させたストレージの構成技術 データ分散して書き込み、高速性や耐故障性を高めることが可能 特性の異なる複数の方式が存在 ※Redundant Arrays of Independent Disks ※Redundant:冗長な、Independent:独立した⇒独立したHDDの冗長構成 |
RAID0 | 2台以上のHDDで高速性 ※別称:ストライピング |
RAID1 | 2台以上のHDDで耐故障性(信頼性) ※別称:ミラーリング |
RAID5 | 3台以上のHDDで高速性と耐故障性(信頼性) ※別称:パリティ付きストライピング |
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