デュアルシステム/デュプレックスシステムとは?
システム構成にデュアルシステムとデュプレックスシステムがあります。
デュアルシステムとデュプレックスシステムは、どちらも2台のコンピュータから構成されたシステムです。
この2つのシステム構成の違いは「2台のコンピュータの役割」になります。
・デュアルシステム:2台のコンピュータで同じ処理
・デュプレックスシステム:2台のコンピュータが現用系と予備系に分かれる
デュアルシステム
デュアルシステムは、信頼性と耐故障性のため、2台のコンピュータで同じ処理を行うシステム構成です。
2台のコンピュータの処理結果を照合し、正しければ次の処理に進めるので、処理の信頼性が高まります。
また、片方のコンピュータが故障しても、正常なもう一方のコンピュータが同じ処理を実施しているので、処理の継続が可能です。よって、耐故障性も高めることができます。
デュプレックスシステム
デュプレックスシステムは、2つのコンピュータが、実際に処理する『現用系』と、故障時に切り替わり処理する『予備系』から構成されているシステムです。耐故障性を高めることが可能です。
・現用系:通常、処理を実施するコンピュータ
・予備系:故障時に切り替わり、処理を実施するコンピュータ
基本的には、現用系が処理を実施します。万が一、現用系の故障時には、予備系に切り替え処理を引継ぎます。
ホットスタンバイ/コールドスタンバイとは?
デュプレックスシステムの予備系の状態には、『ホットスタンバイ』と『コールドスタンバイ』と呼ばれる2つがあります。
・ホットスタンバイ:予備系は起動、現用系の故障時に処理を引き継ぐ
・コールドスタンバイ:予備系は電源OFF状態、再起動したあと処理を引き継ぐ
ホットスタンバイは、予備系は起動、現用系の故障時にはすぐに処理を引き継ぐことができます。
これに対し、コールドスタンバイでは、予備系は電源が入っていない状態のため、再起動した後に処理を引き継ぎます。
したがって、コールドスタンバイは、ホットスタンバイに比べ、現用系の故障時の処理中断時間(予備系が処理を引き継ぐまでの時間)が長くなります。
また、デュアルシステムも含めた故障時の処理中断時間を比較しておきます。
短い
・デュアルシステム
・デュプレックスシステム(ホットスタンバイ)
・デュプレックスシステム(コールドスタンバイ)
長い
故障時の処理中断時間が最も短いのは、デュアルシステムです。デュアルシステムは2つのコンピュータで同じ処理をしているので、故障時も処理を継続できるためです。
続いて、ホットスタンバイのデュプレックスシステム、コールドスタンバイのデュプレックスシステムの順になります。
予備系のコールドスタンバイとホットスタンバイの意味、故障時の処理中断時間の関係性は頻出ですので、しっかりと抑えましょう。
【まとめ】システム構成(デュアルシステム/デュプレックスシステム)
用語 | 説明 |
---|---|
デュアルシステム | 2台のコンピュータで同じ処理をするシステム |
デュプレックスシステム | 2台のコンピュータで現用系(実際に処理)と予備系(待機)に分かれるシステム |
ホットスタンバイ | デュプレックスシステムの予備系が起動している状態 |
コールドスタンバイ | デュプレックスシステムの予備系が起動していない状態 再起動したあとに処理を引き継ぐ |
コメント