結論から言うと、ITパスポート試験は他の試験と比較した場合には、簡単といわれる試験です。
しかし、他の試験と比べて相対的に簡単であっても、勉強なしで合格できるほどではありません。
ここでは、ITパスポート試験が簡単と言われる理由について、試験の特徴5つ解説していきます。
・ITパスポート試験が簡単と言われる理由
・ITパスポート試験は相対的に簡単ということ
・初学者におすすめの教材
「ITパスポート試験を受けようかな?」と考えている人には、ぜひ読んでほしい内容です。
ITパスポート試験が簡単な5つの理由!
ITパスポート試験が簡単と言われる理由について次の5つの観点から解説をしていきます。
・簡単な理由①:エントリー資格の位置づけ
・簡単な理由②:合格率は50%程度
・簡単な理由③:問われる知識が浅い傾向
・簡単な理由④:選択問題のみ
・簡単な理由⑤:勉強時間は少なめ
簡単な理由①:エントリー資格の位置づけ
ITパスポート試験が簡単と言われる理由の1つに、ITパスポート試験がIT系のエントリー(入門)資格ということが挙げられます。
具体的には、ITパスポート試験は、IPA(情報処理推進機構)が運営する情報処理技術者試験と呼ばれる試験群に含まれます。
情報処理技術者試験は、エントリーの共通的知識のレベルから高度情報技術者の高度な知識・技能を網羅した構成です。段階を踏んで、キャリアを形成できるように体系づけられていることが特徴です。
そのうち、ITパスポート試験はそのうち、共通的知識に該当します。
つまり、上位の資格試験(基本情報技術者試験・応用情報技術者試験・高度情報処理技術者試験)と相対的に比較すると、ITパスポート試験は簡単といえます。
IT業界で活躍したい、高度情報技術者へステップアップしていきたいと考えている初学者の方にとっては、第1歩目としておすすめの試験であることは間違いありません。
簡単な理由②:合格率は50%程度
ITパスポート試験の合格率は、約50%です。合格率50%は、他の資格試験に比べると高いことから、ITパスポート試験は簡単と言われる要因です。
具体的に、その他の試験の合格率を見てみましょう。
・ITパスポート試験:約50%
・基本情報技術者試験:約40%
・応用情報技術者試験:約23%
・日商簿記3級:約40%
・宅地建物取引士:約17%
・危険物取扱者:約39%
合格率50%は一般的なその他の資格よりも高い傾向があります。他の試験の合格率と比較した場合は、簡単と言われます。
[補足]学生(高校生)の合格率は30%程度
先ほどの合格率は、社会人・学生を含む全受験者になります。学生(高校生)のみの場合は約25%となっています。
初学者にとっては、合格のハードルはあがる傾向です。つまり、勉強しなくても受かる試験ではないことが分かります。
簡単な理由③:問われる知識が浅い傾向
ITパスポート試験で出題される知識は、他試験よりも浅いため簡単な傾向ではあります。
実際に、ITパスポート試験と基本情報処理技術者試験の「HDD(ハードディスク)のミラーリング」に関する問題を例に、問われる知識の深さを確認してみましょう。
ミラーリングとは、2台のHDDに同じデータを書き込み、1台が故障しても、片方のHDDからデータを読み出すことができる仕組みのこと。
RAID(レイド)という技術を用いており、ミラーリングはRAID1という方式にあたる。
問.サーバに2台のHDDを接続しているとき,HDDの故障がどちらか片方だけであれば運用が続けられるようにしたい。使用する構成として,適切なものはどれか。
ア:ストライピング
イ:データマイニング
ウ:テザリング
エ:ミラーリング
出典:平成30年春期 ITパスポート試験 問94
次に、基本情報技術者試験での出題です。
問.RAIDの分類において,ミラーリングを用いることで信頼性を高め,障害発生時には冗長ディスクを用いてデータ復元を行う方式はどれか。
ア:RAID1
イ:RAID2
ウ:RAID3
エ:RAID4
出典:令和元年秋期 基本情報技術者試験 午前 問15
今回の出題例では、ITパスポート試験は浅く、基本情報処理技術者試験はより深く問われていることがわかります。
・基本情報技術者試験:HDDが片方故障しても運用を継続⇒ミラーリング⇒RAID1
このように、基本情報技術者試験に比べ、ITパスポート試験の難易度は低くなるよう設計されており、より初学者向けの簡単な試験といえます。
[補足]試験範囲は広い
ITパスポート試験の試験範囲は広いです。
ITと言っても技術的な内容から、経営戦略やプロジェクトマネジメントに関する内容まで多岐に渡ります。
問われる知識は浅くても、覚える内容は多いので挫折しないような勉強の工夫が必要です。
簡単な理由④:選択問題のみの出題形式
ITパスポート試験は、四つの選択肢から回答する選択問題のみであることも、簡単と言われる要因です。
ITパスポート試験の具体的な試験方式は、100問の選択問題を120分で解く形式になります。
その他の情報処理技術者試験の基本情報技術者試験からは、記述問題が含まれます。
選択問題と記述問題を比較した場合は、やはり選択問題の方が解きやすいため、ITパスポート試験は簡単と言われる要因となります。
簡単な理由⑤:勉強時間は少なめ
勉強時間は100時間程度です。一般的な資格試験と比べても目安の勉強時間が少ないので、合格のハードルは低いと言われます。
具体的にITパスポート試験とその他の資格試験の勉強時間を比較してみましょう。
ITパスポート試験:約100時間
基本情報処理技術者試験:約200時間
簿記3級:約150時間
実際に、初心者を対象としたITパスポート試験の通信講座も、勉強時間も100時間程度が想定されます。
【25時間】基本講座(動画講義)
【48時間】スマート問題集(360問)
【24時間】セレクト過去問(180問)
【2時間】 模擬試験:2時間(100問)
→合計勉強時間:99時間
※スマート問題集、セレクト問題集は1問8分換算(暗記5分+復習3分)
このように、資格試験の中では少ないといえる100時間の勉強で合格の可能性があるため、ITパスポート試験は簡単と言われています。
簡単だけど勉強は必要!おすすめ勉強教材
ここまで、ITパスポート試験が簡単な理由について、5つの観点で解説をしてきました。
但し、他の試験と比較した場合、相対的に簡単ということは理解しておきましょう。
したがい、受験をする皆さんのこれまでの経験やバックボーンにより、合格の難易度は変わってきます。特に、初学者の場合には、勉強方法が重要になってきます。
初学者向けの勉強教材について念のため紹介をしておきましょう。
おすすめの参考書「いちばんやさしいITパスポート」
初学者におすすめな参考書は、いちばんやさしいITパスポートになります。
・おすすめ理由②:簡潔明瞭に解説されている
・おすすめ理由③:網羅的だが1ページの分量が少ない
参考書については下記の記事で詳細に解説しています。
【まとめ】ITパスポート試験は相対的に簡単!ただし、勉強は必要!
今回の記事の結論は、ITパスポート試験は、他の試験とくらべて相対的に簡単ということでした。
その理由を振り返っておきましょう。
理由①:情報処理技術者試験のエントリー資格の位置づけ
理由②:合格率は50%程度で一般的な資格試験に比べて高い
理由③:問われる知識が浅く、難易度が低く設定されている
理由④:4つの選択肢から選ぶ選択問題のみで記述式の問題は出題されない
理由⑤:勉強時間は、初学者で100時間程度と少なめ
繰り返しになりますが、相対的に簡単といっても勉強なしで受かる試験ではないので対策は必要です。
ITパスポート試験は簡単と油断することなく、着実な対策で合格することをお祈りします!
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